5.18.2000

No.0044

『ソニケアー(音響波電動歯ブラシ)』とは?

 【歯科なんでもコラム】をご覧の方で、『Sonicareソニケアー(一般店頭販売用)』もしくは『ソニケアー プラスプロ(歯科医院専売用)』という音響波電動ブラシ(以下、音波ブラシと記載します)を、ご存じの方はいらっしゃいますか?。きっと、日本では未だ一般的ではないと思われますので、今回あらためてご紹介したいと思います。尚、『ソニケアー プラスプロ』はMSKCOI(MSK臨床矯正歯科研究会)発足以来、推奨を行っております唯一の電動歯ブラシです。

 『ソニケアー』とは、アメリカのOptivaオプティバ社が、開発製造している電動歯ブラシの一種ですが、その機巧は世界で唯一のもので、【音響波】(振動数 31,000/分)のパワーによる歯面&歯肉の清掃を可能にしました。日本での輸入発売元は、日本の歯科医療業界において老舗の1社である《株式会社ヨシダ》が行っております。にわか健康器具業者などの扱う製品と違い、ちゃんと信用のおける商品であります。更に、一般小売りでは、有名デパートなどで取り扱われていたり、フジテレビ系列のカタログ販売などでも紹介をされています。もちろん、一般歯科医院(取扱をしている一部の)などでも購入できます。

 スタンダード・キットの『ソニケアー』の一般小売りの基本定価は19,800円(消費税別)と決してお安くありませんが、稼動ブラシが2個付いていまして、稼動ブラシ1個の使用期間は約6ヶ月間となっており、よって1セット購入されると12ヶ月間使用可能、ということから考えますと、実は以外と経済的なのです。

  [一般にお使いの手ブラシ1本の使用期間は、きちんとした歯磨きをされている方では、1週間〜10日程です。1本200円として12ヶ月間に要する費用は200円×約52週間=10,400円となります。]差額は約1万円ですが、以降に説明を致しますが、機能や性能などの差をかんがみますと、かけ離れて高い物とは決して言えないのではないでしょうか。

 因みに、一般歯科医院での販売価格は15,750円〜20,790円(消費税込み)と色々です。

 さて、一体『ソニケアー』は、普段お使いの手ブラシと比べて、どの様に違うのでしょう?。 その利点は、どの様なものなのでしょう?。 以下は、皆様へ解りやすいように、箇条書きにしてご説明いたします。


1)長時間の歯磨きを可能にしてくれる!

“手ブラシでの歯磨き”の場合

歯磨き時間は、せいぜい3〜4分が限度です。何故なら歯ブラシを持つ手は、たいがい〈利き手の片手だけ〉ですから、腕の筋肉が疲れてくると歯磨きは終わりになってしまいます。本当にお口の中の全体を、きれいに清掃するとすれば、お口の中を左右上下の4ブロックに分けて例えると、1ブロック1分半〜2分間のブラッシングが必要ですので合計6分間〜8分間のブラッシングが正しい磨く必要時間となります。実際、歯磨きの時、時計を見ながら『みがき時間』を注意して歯磨きをしている方は、ほとんどいないでしょう。これでは以外と不十分 な清掃になってしまうのです。


“『ソニケアー』での歯磨き”の場合

ブラシを持つ手が利き手だけでなく〈左・右どちら〉ででも、持って使うことが簡単です。
一定時間を知らせてくれます。
(2分間で自動的にスイッチが切れます)
ブラシの動作は一定です。
(手ブラシのように強い弱いの不安定がありません)
1ブロック2分間、【お口の中の全体8分間の歯磨き】が、可能なのです。
最近では、就寝前の‘入浴の際に歯磨きをされる方が増えてきているようです。お湯につかっている間、じっとしているのは勿体ないですね。1日の終わりの歯磨きだけでも、その時間を利用して、『ソニケアー』で8分間歯磨きをしましょう。



2)ブラシ先の届きにくい所まで、清掃を可能にしてくれる

“手ブラシでの歯磨きの場合”

手ブラシの毛先が届く場所や範囲でしか、擦掃はできません。奥まった場所は、実際には洗えていないのが現状です。
歯と歯が隣り合う部分や深い歯周ポケットの底の部分などは困難です。


“『ソニケアー』での歯磨きの場合”

毎分31,000振動するブラシから発生する泡沫の炸裂が、ブラシ毛の届かない部分へまでも、擦掃効果を働かせることができます。
確実な擦掃の為には、この[泡沫の炸裂]が重要です。



3)歯の表面にやさしい

“手ブラシでの歯磨き”の場合

擦掃効果を左右するのは、ブラシの毛の機械的な働きに70%依るものです。
{因みに、残りの15%は擦掃方法、そして15%は擦掃時間です。}
ブラシ毛(ナイロン製)の長さ・太さ・束数・植立方法などで、「柔らかめ」「普通」「硬め」「きわめて硬め」など、毛の感触の堅さ分けをしています。手ブラシの擦掃効果を高める為には、硬め以上の手ブラシを用いるべきです。
しかし、適度の力加減で磨かなければ、かえって歯の表面を削ってしまうことになります。
(クサビ状に歯が削られてしまい、知覚過敏になってしまう)


“『ソニケアー』での歯磨き”の場合

ブラシの毛は堅くありません。むしろ柔らかく、そのしなやかさが重要なのです。
 『ソニケアー』のブラシ毛は、鞭の様にしなることで毎分31,000もの振動を行うことができるのです。ブラシ毛の堅さが、歯を磨くのではないので、歯面にやさしいのです。



4)幼児や要介護者の介護補助者用器具として適している

“手ブラシでの歯磨きの”場合

やむをえず、歯磨きを自分以外の人にしてもらう場合、お口の中の空間の感覚や歯とブラシのあたり具合などなかなか分かりにくい為に、十分な擦掃効果を得られません。
柄を動かして磨くので、お口の奥では“喉を突く”おそれがあり、故に、磨き残しが起きやすくなります。


“『ソニケアー』での歯磨き”の場合

ブラシの部分にはブラシ毛のガードが付いています。このガードがお口の奥行きなどを測る目安になり、又、柄を動かして磨くのではないので、磨いてあげる人へのケガを防げます。
柄を動かさないことで、補助者に余計な疲労を与えないので、やはり長時間の歯磨きを施しやすいのです。



◎◎◎『ソニケアー』の効果を最大限引き出すコツ◎◎◎

  1. 歯磨き粉(一般のもので構わない)を必ず使う
  2. たっぷり目の水け(唾液も)をお口に持たせる
    (歯磨き粉を泡立てる為に必要)
  3. ブラシの毛を歯に強く押しつけない
  4. 洗うべき場所の位置にブラシの毛を正しくあてがう
  5. 前歯では、少し顔を下に傾けて、歯磨き粉+水けの泡が前歯に流れる様にする姿勢で行う
  6. 泡立ちのない状態では、擦掃が不十分になりやすいので、くれぐれも泡立ちの有無の確認を怠らない
    (微少な泡沫のさく裂がソニックパワーとなり、歯周病や虫歯の細菌の線毛を破壊します)
  7. 左右両方の持ち手を怠らない
    (必ず両方の手を使うこと:握るときは片手ずつ)

日本では、今や歯周疾患になってしまっている人の数は、総人口の約7割(大人だけでなく小さい子供達までも!)と言われています。この病気を改善する為には、歯科医師による医療に頼るばかりでなく、自分自身で普段の生活の中で行う【代替医療】(以下の注に説明)を行う必要があるのです。『ソニケアー』は、この【代替医療器具】として最適ではないかと私たちは考えています。  

注)【代替医療】とは、一般の病院・医院・歯科医院等にて通常行われている西洋医療以外の医療【整体(マッサージ)・指圧・針灸・アロマテラピー・漢方・気功・心理療法・伝統療法・生活療法(民間療法)など】すべてのことです。直接的に病気を治すというよりは、人自身(患者さん)が、元々持っている[抵抗力]や[免疫力]を高めさせることで、間接的に治療及び健康増進を図る医療です。


古賀先生

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